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馬場 祐治
Radioisotopes, 47(3), p.240 - 247, 1998/03
オージェ過程に関する基礎的事項を説明した上で、放射光を励起源とするオージェ電子分光法の最近の進歩について開発した。主な話題は、共鳴オージェ過程、オージェ共鳴ラマン散乱、オージェカスケード等である。また第3世代の放射光リングを用いたオージェ電子分光法に関する興味ある研究課題についても言及した。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之; 佐々木 貞吉; W.Wurth*
Surface Science, 377-379(1-3), p.699 - 704, 1997/00
吸着分子に放射光軟X線を照射し、内殻電子励起による脱離過程を調べた。多層吸着したPCl分子のP1s電子を軌道へ共鳴励起すると、主にPイオンが脱離するのに対し、Cl1s共鳴励起ではClイオンのみが脱離した。同様な元素選択的脱離は、SCl吸着分子のS1s、Cl1s励起においても認められた。電子分光測定によれば、脱離が起こる共鳴励起エネルギーでは、ほとんどがスペクテータ型のオージェ遷移を起こすことから、高い元素選択的脱離が起こるのは、反結合性軌道に励起された電子(スペクテータ電子)の存在により励起される速い結合解裂のためであると結論した。
佐々木 貞吉
放射光, 9(3), p.233 - 243, 1996/06
絶縁体の深い内殻軌道を共鳴励起すると、スペクテータ・オージェ遷移によりオージェスペクトル強度が大巾に増加する。最近発見した上記現象は、新しいタイプのオージェ共鳴ラマン散乱で、非独占軌道についての詳細な情報を含んでいる。下記の項目に分けてこれまでの成果を紹介する。(1)深い内殻の共鳴励起 (2)無機化合物におけるスペクテータ・オージェ遷移 (3)オージェ電子はなぜエネルギー分散を起こすか? (4)固相有機分子におけるオージェ共鳴ラマン散乱 (5)吸着分子の元素選択的脱離
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 76, p.411 - 416, 1995/00
被引用回数:10 パーセンタイル:50.94(Spectroscopy)MoS、LiSO、NaSOのS1s3p、及びSi(CH)Cl、SiCl(いずれも固相)のCl1s3pの共鳴励起に伴うスペクテータ・オージェ崩壊を調べた。1s正孔の崩壊分岐率については、KLL、KLLスペクテータ・オージェ遷移が全体の97%以上を占めることがわかった。また、これらのオージェピークは、誘電体においてピーク分裂を起こすとともに、励起光エネルギー(h)に正比例して4.5-10eV高エネルギー側へシフトした。実験結果はオージェ共鳴ラマン散乱と解釈され、誘電体では非占軌道が連続帯に深く浸入していることを示唆する。
馬場 祐治; 吉井 賢資; 佐々木 貞吉
Surface Science, 341, p.190 - 195, 1995/00
被引用回数:14 パーセンタイル:64.6(Chemistry, Physical)SiCl凝縮層に、Si-及びCl-K吸収端付近のエネルギーをもつ放射光を照射した時のイオンの脱離挙動を調べた。Si1s励起ではSi、Cl、SiCl、SiClがほぼ同程度の強度で脱離したが、Cl1s励起では、脱離イオンの80%以上がClであり、内殻励起による脱離に元素選択性があることを見出した。Cl1s励起におけるClイオンは主としてCl1s(8a)共鳴励起により脱離し、Cl1s(9t)共鳴励起や、より高い照射エネルギーではほとんど脱離しない。これは8a軌道の構成成分として反結合性Cl3P軌道が多いため、1s軌道から共鳴励起された電子(スペクテーター電子)の存在により、Si-Cl結合が弱められるためであると結論した。